メモ

融ける壁。解ける意味。説ける自己。可変透過率の滑らかさ。乱交する時間。観測生命と実行機能。小指のない手。頭のない目。走っていく絨毯。一重。二重。三重。とんで七百七十七の檻。破裂する風船。初めから納まらないという約束。初めからあぶれだすという規則。初めから死ぬという契約。毒と蜜。赤と胎盤。水銀灯と誘蛾灯。多重次元に屈折する光源観測、泳ぐ魚、深層神澱にて詠う螺子。道具、道具、道具。際限なく再現せず育成し幾星へ意義はなく意志はなく。叶うよりは楽。他の誰でもないワタシ。洩れた深海。微視細菌より生じる矛盾。俯瞰するクォーク。すべて否定。螺鈿細工をして無形、屍庫から発達してエンブリオ、そのありえざる法則に呪いこそ祝いを。


停止こそ無視。流血する大地。血液に猛毒を代償して不死に至る。薔薇。薔薇。薔薇。薔薇。華美なるものにこそ太歳宿る。風現羅刹、飢給の糧を喰む。増殖する膿黴穢れ。五月より遅い四月、逆転する四肢、蛇蝎二元より生じ天秤宮に覚醒す。腐乱した果実の皮。焼けたセルロイドの人形。百々目鬼あうカンナビス。摩擦と研磨。太陽と月。メスとライオン。衝突する近道。割れた砂時計。いびつな入道雲。比類できない我。遡る砂。


とある作品の一部のメモ。